海外情勢

外資誘致へ労働法抜本改革 インドネシア大統領、年内に提案

 インドネシアのジョコ大統領は、年内に労働基準を抜本的に改革する法改正を提案し、経済のより多くの部門を外資に開放する方針を示した。投資家が要求している幾つかの主要な改革の実現を目指す。

 ジョコ大統領は計画する労働法改正は新規の従業員に適用されると述べ、議会審議の前に労働団体と提案を協議すると説明した。改正の適用範囲を新規雇用のみに限定することで、大統領はインドネシア国内で拠点開設や事業拡大を目指す企業を引き付けられる一方、労働団体の反発を鎮められる。

 出身地である中部ジャワ州ソロで2日、ブルームバーグのジョン・ミクルスウェイト編集主幹とのインタビューに応じたジョコ大統領は、労働基準の改革が自身の「最優先事項」だと述べた。企業の間では長い間、寛大な退職金パッケージや複雑な最低賃金システム、労働者の雇用と解雇の制限で事業拡大が難しいと不満があった。

 大統領は「毎年300万人の新しい労働者が労働市場に流入する。彼らは労働市場に参入する余地を与えられなければならない。第2に、投資家の不満に対応したい。法律を改正しなければならない。より多くの投資が企業間でより良い労働者を得るための競争を生むことを期待する」と話した。

 インドネシアは対米貿易戦争の激化で中国から流出するビジネスを奪い合うアジア諸国からの失地回復に取り組んでいるが、これまでのところベトナムなど比較的規模の小さい国に対して劣勢にある。このためジョコ大統領は、投資家が長年当局に働き掛けてきた経済改革の実現に向けて動き出している。

 大統領はまず、労働組合を取り込む必要がある。労組側は既に、賃金や健康保険の規制改革の可能性に抗議する構えを見せている。その上、刑法改正案に反発する学生らが国内各地で大規模デモを繰り広げている。

 こうした抗議の中でもジョコ大統領の改革計画は脱線していない。10月下旬の2期目始動に準備を進める同大統領は、成長の「足かせ」を取り除くよう閣僚らに迅速な対応を要求。計画される減税と労働法改正のほか、外資誘致のルールを全面的に見直す意向だ。

 インドネシアでは、銀行や醸造など多くの産業で外国からの投資が制限されている。昨年11月に発表された計画では、同制限を見直し一部セクターでの最大100%の外資容認が盛り込まれたが、国内企業からの反発を受けて延期された。(ブルームバーグ Karlis Salna、Rieka Rahadiana)

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