海外情勢

“グレタ演説”有権者に一石 緑の党、オーストリア選挙で支持3倍

 気候変動の脅威を訴えたスウェーデンの活動家、グレタ・トゥンベリさんの演説を受け、9月27日までに世界各地で約700万人が地球温暖化対策の強化を求める抗議デモに参加した。その2日後、グレタさんはオーストリアの政治状況を塗り替える有権者行動をもたらした。

 9月29日に行われたオーストリア国民議会(下院)選挙の暫定集計によると、2年前の選挙で議席を失った緑の党が支持を3倍に伸ばし、得票率は14%となった。クルツ首相率いる国民党との連立パートナーとなる現実性が増し、欧州の政治課題で環境問題がトップの位置に浮上しつつあることを示した。

 野党・社会民主党の幹部、トーマス・ドロツダ氏はオーストリア放送(ORF)テレビのインタビューで敗北を認め、「(環境問題の)テーマとしての発展が緑の党への追い風となった。私が考えているのはグレタ・トゥンベリさんと気候変動をめぐる抗議デモのことだ。これは緑の党が過去20~25年間で信頼を得た分野だ」と語った。

 記録的猛暑を受け、失われた氷河の「追悼式」などが行われる中で、気候変動は欧州連合(EU)政治の最も高いレベルに変化をもたらし始めている。ドイツでも緑の党が環境保護に消極的と見られているメルケル首相から支持を奪っている。フォンデアライエン次期欧州委員長は、地球温暖化対策が最も差し迫った課題だと表明している。

 ユーロバロメーターの最新データによれば、クルツ首相が2年前の選挙で勝利を収めて以降、オーストリア有権者の関心事として地球温暖化は11ポイント上昇してトップとなった。これは同国の緑の党が9月29日の選挙で確保した支持率の伸びと同程度だ。(ブルームバーグ Jonathan Tirone、Boris Groendahl)

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