海外情勢

閣外協力DUPの支持必須 EU離脱条件 英議会承認得られぬ恐れ

 英国の欧州連合(EU)離脱の条件をめぐり、英とEUとの協議が土壇場の合意に近づきつつある。しかし、英保守党政権を閣外協力で支えてきた北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)が反対すれば、議会の承認が得られない危険がある。

 英、EU当局は2日間の協議を通じて、隔たりの大部分を解決した。深夜まで折衝が続けられる一方、英国を除くEU27カ国の大使級会合が16日午後2時(日本時間同9時)に招集される。英国との離脱交渉を担当するEUのバルニエ首席交渉官はその場で合意について説明を行う。

 EUとの新たな離脱合意の取り決めは、今月末の離脱を目指すジョンソン英首相にとって最初のハードルにすぎず、北アイルランドのDUPと与党保守党内の離脱強硬派を説得する必要がある。メイ前首相がEUとまとめた離脱協定案は3度にわたり議会で否決された。

 ジョンソン首相は今回、DUPの支持を得る確信がない限り、ゴーサインを出すことはないだろうと複数のEU当局者が語った。ジョンソン氏はDUPのフォスター党首と15日夜に約1時間半にわたり首相官邸で会談した。DUPは「隔たりが残っており、さらに作業が必要だと言って差し支えないだろう」との声明を発表した。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、EUとの離脱協議で合意が具体化しつつある中で、ジョンソン首相はDUPからの協力確保に向け、英領北アイルランドへの多額の資金拠出についてフォスター党首とぎりぎりの交渉を行った。

 関係者によると、DUPは「数百万でなく数十億」単位の資金を北アイルランドに拠出するよう要求し、支出を増やすことが合意を支持する条件だとジョンソン首相に伝えたという。複数のEU当局者によれば、過去数日のうちに英国側は幾つかの大きな譲歩を行った。英領北アイルランドと英国本土との間で税関検査の実施を受け入れることもその中に含まれるが、これにはDUPが強く反対している。(ブルームバーグ Ian Wishart)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus