国内

訪日客向け災害情報を拡充 観光庁、検討会設置へ

 政府は、訪日外国人向けの災害情報を拡充する方針だ。台風19号など交通網が大きく乱れる災害が相次ぎ、訪日客が情報入手に苦労するケースが生じているためだ。東京五輪・パラリンピックを来年に控え、観光庁は交通、宿泊事業者らを交えた検討会を近く設置、具体策を議論する。

 19号上陸前後の11~13日、日本政府観光局が外国語で相談に応じるコールセンターには1100件超の問い合わせが殺到。「私のいる場所は避難指示が出ているのか」「帰国予定だが、飛行機は運航するのか」などほとんどが台風関連で、担当者は「これほど多いのは初めて」と驚く。19号上陸はラグビー・ワールドカップ(W杯)のさなかで、初来日の人も多かったとみられる。

 ブラジル人が多く暮らす浜松市では、避難勧告を防災メールで知らせた際、ポルトガル語への翻訳を誤り、川周辺への避難を促しているとも読み取れる文面を送信。自動翻訳の確認不足で、市は「機械を過信した面は否めない」と説明する。

 9月に上陸した台風15号。成田空港へのアクセスが途絶し、訪日客らの滞留で大混乱に。交通機関再開の見込みが分からず、空港や主要駅では不安そうな訪日客が目についた。成田国際空港会社はこの後、携帯型翻訳機40台を導入。19号では運航状況を尋ねる訪日客に活用したという。

 昨年9月の台風21号では関西空港の利用客が一時孤立した。北海道地震の教訓もあり、政府はツイッターによる英語での情報提供を始めるなど対応を改善。赤羽一嘉国土交通相は18日の記者会見で「一定の成果があったが、より多くの方に確実に届くよう不断の見直しが必要」とした。

 観光庁担当者は「情報を伝えるツールは整ってきたが、その周知が課題」と指摘。そもそもツイッターを使わない人もおり、正確で詳しい情報を迅速に伝えるのは容易ではない。

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