国内

日本でのIR参入目指す香港系企業 「脱中国依存」の狙いも

 香港企業のギャラクシー・エンターテインメント・グループはこれまで、マカオのみでIRを展開してきた。ただ、マカオは中国の政治、経済情勢に左右されやすく、先行きには不透明感も漂う。今回、日本市場を目指す背景には「マカオ依存」からの脱却を狙う思惑がうかがえる。

 1999年にポルトガルから中国に返還され、一国二制度下にあるマカオは2002年、それまで地元企業1社が独占していたカジノ運営免許を複数企業に開放する方針を決定。カジノが禁じられている中国本土の顧客を取り込み、06年にはカジノ売上高で米ラスベガスを抜き、ギャラクシーなども急成長した。

 ただ、マカオの観光客は7割が中国本土、2割が香港で、IRの主要顧客も重なっているなど中国依存度が高い。14年12月に習近平国家主席が中国本土からのマカオ訪問を事実上、抑制する方針を打ち出した際にはIR市場が急減速した。米中対立を背景にした現在の中国経済の減速も、影響を及ぼすのは必至だ。

 さらに22年にはカジノ運営免許の更新が予定されているが、これも「中国政府の意向が強く反映されるのは確実」(在香港の関係筋)とみられる。更新条件は来年にも公表されるとみられるが動向を見通すのは困難で、ギャラクシーなどがリスク低減のため日本市場に目を向けても決して不思議ではない。

 混乱が続く香港情勢も懸念材料だ。現時点では香港を避ける中国人客のマカオ流入増につながっているというが、混乱の長期化は事業に影響を与える可能性がある。ギャラクシーのテッド・チャン日本地区最高執行責任者は産経新聞の取材に「好ましくない状況。訪問者数や収益以上に、(IRで楽しみたいという)人々の心情に影響を及ぼしうると懸念している」と指摘した。(黒川信雄)

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