海外情勢

アメリカ国債 大量発行にも限度 レポ金利急上昇 MMT流行に警鐘

 このところ、ワシントンで米財政赤字についてひどく心配している人を見つけるのが難しい。共和党は財政健全化より減税に関心があるようだし、民主党はヘルスケアやインフラ支出に熱心だ。そして、政府支出にお墨付きを与える現代貨幣理論(MMT)が進歩的な人々の間でもてはやされている。

 しかし、ウォール街では債券ディーラーらがレポ金利の急上昇という形で、債務と赤字はやはり問題だということを少しは思い出させてくれた。さまざまな要因が重なって同市場の流動性は枯渇したが、注目されつつあるのは財政赤字の拡大を背景に大量供給される米国債でディーラーらが窒息しかけているのではないかということだ。

 トランプ政権が減税のために借り入れを増やす一方で米国債への投資家の需要は弱まり、プライマリーディーラーはますます多くの米国債を消化することを強いられている。ディーラーは通常、保有債券を担保としてレポ市場で資金を調達する。

 しかし、金融システムには既に16兆ドル(約1715兆円)を超える米国債があふれている一方で、銀行は金融危機後の規則に縛られている。簡単に言えば、米国債は多過ぎ、それに見合う十分な資金がないという状態で、レポ金利が上昇した。連邦準備制度は必要な資金を供給してレポ市場を安定させたが、米国債の大量発行を数カ月、数年と放置すれば、やがては米政府の借り入れコスト上昇につながりかねない。

 もちろん、現在は世界中で国債利回りが歴史的な低水準にあり、ドルは依然として世界の準備通貨だ。世界の景気減速の兆候の中で投資家はなお安全資産として米国債を求めるだろう。それでも、9月のレポ金利急上昇は、市場を一段と頻繁に混乱させることなく米国が借り入れられる額には限度があるかもしれないことを明確に示した。(ブルームバーグ Liz Capo McCormick、Saleha Mohsin)

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