海外情勢

中国・香港でバー閑古鳥、観光客減…不満の矛先は政府へ

 【香港=三塚聖平】政府に対する抗議デモが続く香港で、バーなどの夜間営業の飲食店が影響を受けている。香港への訪問客が減っていることに加え、デモの影響で地下鉄の運行が早めに終わる状況が続いているため客足が遠のいているという。

 「多くの店はデモの影響で来店客が減っている。特に観光客を相手にしているバーは厳しそうね」。バーなど夜間営業の飲食店が軒を連ねる香港島の繁華街「ソーホー」のピザレストランで、女性店員のシンディさん(29)が周囲の厳しい営業状況についてこう話す。

 香港紙の文匯報は、商業エリアにあるバーの8~9月の営業損失が2億3千万香港ドル(約32億円)に達したという業界団体のデータを示す。悪化要因の一つが、抗議デモによる香港への訪問客の減少だ。香港旅遊発展局によると、デモが激しさを増した8月に香港を訪れた旅行者は前年同月比で約4割減だった。

 加えて打撃を与えているのが、主要交通手段である地下鉄の終電時間の大幅な前倒しだ。10月に入って平常時と比べて1~2時間ほど早められ、現在は午後11時ごろには運行を終えている。香港メディアによると、地下鉄の運行会社は「デモ隊が破壊した駅の修復のための措置だ」と説明しているというが、デモ参加者からは「夜間に抗議活動をさせないため、運行会社が政府に協力している」(30歳の会社員男性)との声も聞かれる。

 こうした状況下で、批判の矛先が向かっているのは意外にも香港政府だ。

 政府は今月23日、香港を訪れる旅行客に加え、香港市民の海外旅行を促進するため旅行会社に報奨金を支給すると表明したが、バーの業界団体幹部は「市民が香港の外でお金を使うことを奨励し、バーの経営をさらに苦しくさせる」との懸念を表明したと文匯報は伝える。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus