海外情勢

FRB、緩和休止を示唆 3回連続利下げ 「適切に行動」削除

 米連邦準備制度理事会(FRB)は10月29、30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の引き下げを決めた。利下げは7月と9月に続く3回連続で、下げ幅は0.25%。主要政策金利となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを1.5~1.75%とした。

 “軟着陸”視野に

 FOMCは会合終了後に発表した声明で、前回までの「景気拡大の維持に向け、適切に行動する」との文言を削除した一方、「FF金利誘導目標レンジの適切な道筋を精査する」と記し、データを注視していく姿勢を示した。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジスト、ウィン・シン氏は「データが明白に悪化しない限り、12月の追加利下げはないだろう」と指摘した。

 FRBのパウエル議長は、利下げ決定後の記者会見で、経済の緩やかな成長や力強い労働市場を維持し、インフレ率を2%の当局目標近くに保つ上で、現行の政策スタンスは「適切」であるとの考えを示した。

 パウエル議長は声高に言いたくはないかもしれないが、米経済のソフトランディング(軟着陸)という、まれに見る成果を遂げつつあると考えているのは確かな様子だ。

 パウエル議長は「金融政策は良好な状況にあるとわれわれは考えている。経済に関して今後入ってくる情報が引き続きわれわれの見通しとおおむね整合する限り、現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高いとみている」と述べ、当面は政策金利を据え置く可能性を示唆した。

 下振れ方向にも上振れ方向にもリスクがあるのは確かで、パウエル議長がソフトランディングで勝利宣言をしなかったのも恐らくそのためだと考えられる。「それを達成したと決して言うことはない」と議長は語った。

 雇用統計に注目

 米企業が設備投資に続いて雇用の削減にも踏み切れば、金融当局の想定よりも景気が悪化する恐れがある。それを検証するのに当たり、次に注目されるのは11月1日発表の10月の雇用統計だ。

 パウエル議長は「インフレ懸念に対処するため利上げを検討するには、インフレ率が持続的な形で顕著に上昇するのを実際に目にする必要があるだろう」と話した。

 一方、パウエル議長は、さらなる利下げに動くには、経済見通しの「重大な再評価」を要するとして、追加緩和を急いでいないことも示唆した。コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は「米金融当局は現在、基本的に一時休止の状態にある」と指摘した。(ブルームバーグ Rich Miller、Christopher Condon)

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