海外情勢

オーストラリアのエアーズロック登山がついに禁止 先住民に安堵や喜び

 オーストラリア中央部の巨大岩山ウルル(英語名エアーズロック)の登山が10月26日、禁止された。所有権を持つ先住民アボリジニの民族アナングの人々は、以前から観光客の登山に反対だった。「聖地」を踏み荒らされることに不快感を覚える一方、入山に伴う観光客の事故に心を痛めてきたためだ。

 「ここは私たちの家です。登らないでください」。ウルルを管理する国立公園は同25日まで登山口にこのような看板を設置し、麓で楽しむよう訴えてきた。国立公園の役員会メンバーの多くはアナングだ。

 ごみを捨てたり半裸で記念撮影をしたりするなど登山客のマナーの悪さが長年指摘され、アナングの間では登山禁止を求める声が高まっていた。

 ウルル周辺は夏場の最高気温が30度を超える。足元は滑りやすく、強風が吹くことも多い。これまで滑落や心臓発作などで35人以上の登山客が死亡しており、「わが家」で安全を確保できないことにアナングは責任も感じていた。

 2010年には国立公園の役員会が「登山者が来場者全体の20%を下回るようになれば登山を禁じる」と決めていた。聖地への理解が進み、登山者が16%程度に減少した17年11月、役員会が登山禁止を発表した。

 土地所有者のアナングは取材に応じ、登山禁止について安堵(あんど)や喜びを語った。ジュディ・トリガーさんは「ようやく私たちの文化が軽んじられる悲しい気持ちがなくなった」と、ほっとした表情を見せ、レジー・ウルルさんは事故を心配する必要がなくなったことも含め「非常に満足している」と話した。

 登山禁止となった日は、ウルルの所有権が政府からアナングに返還されて34年の記念日だった。登山口には「永遠に閉鎖」の看板が設置された。(ウルル 共同)

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