海外情勢

米鉄道、効率輸送で打撃を緩和 貨物激減も新手法を導入で1株利益は上昇 (1/2ページ)

 米中の貿易摩擦が激化の一途をたどる中、CSXなど米国の鉄道会社が貨物輸送で新たな効率化戦略を打ち出した。各社は貨物輸送量の落ち込みで打撃を受けていたが、輸送効率化戦略が奏功し、影響が緩和しつつある。

 稼働機関車を削減

 貿易摩擦による製造業の景況感の悪化に伴い、全米の貨物輸送量は減少し続けている。ブルームバーグ・インテリジェンスによると、2019年は3四半期連続で減少している。米国鉄道協会(AAR)の報告によると、7~9月期は前年同期比5.5%減となり、過去3年間で最大の落ち込みとなった。

 輸送量減少に対応し、CSXやユニオン・パシフィック鉄道など米国の主要鉄道会社は「精密定期鉄道(PSR)」と呼ばれる経営モデルを導入している。PSRはベテラン鉄道経営者のハンター・ハリソン氏が提唱した経営手法で、稼働する機関車の数を減らすほか、運航スケジュールの圧縮や操車場閉鎖などの措置を通じ、運行業務や経営の効率化を図る。

 PSRを推進した結果、各社は輸送量の落ち込みにもかかわらず、1株利益を増やしている。7~9月期のCSXの1株利益は1.08ドル(約117円)とブルームバーグ調査で最も高い予想(1.04ドル)を上回ったほか、ユニオン・パシフィックは2.22ドルと前年同期比で3%上昇。カンザスシティー・サザンも1.94ドルと、予想最高値(1.85ドル)を上回った。

 新手法の成果は効率性の目安となる営業係数(低いほど経営効率が良い)の改善に示されている。7~9月期にCSXは米鉄道業界で史上最高となる56.8%をたたき出し、弱い売上高を補った。また、ユニオン・パシフィックも同期に59.5%と過去最も低い水準を記録。ユニオン・パシフィックは19年に61%未満、20年には60%未満に抑えられると見込んでいる。

 同社のフリッツ最高経営責任者(CEO)はインタビューで「当社は7~9月期の決算で、非常に厳しい環境においてもサービスと費用構造の双方の抜本的な転換を推進したことを証明できた。来年の経済が鉄道輸送にとって追い風となった場合、何ができるかを楽しみにしている」と話している。

 サービス改善急ぐ

 現在、米国内の輸送手段はトラックが主流となっている。運賃が安く、速達性に優れたトラックとの競争は鉄道輸送の衰退に拍車をかけている。フリッツCEOは「トラックの運賃が大幅に下がったことも、鉄道輸送への貨物のシフトを困難にしている」と指摘した。

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