海外情勢

日本の失われた10年と類似 低成長続く欧州に財務レバレッジ懸念

 ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの株式ファンドマネジャー、ルーク・ニューマン氏は、デジャビュ(既視感)の不安感を抱いている。

 20年前にキャリアを開始したころ、ニューマン氏はドイチェ・アセット・マネジメントのアナリストとして日本株を担当していた。今はヘッジファンドで欧州株投資を手掛けるが、今の欧州と1990年代後半の日本に幾つかの類似点があると感じ、不安を覚えている。

 「過去20~30年にわたって日本で目撃したものと欧州の間に非常に心配な類似点が多数ある」と、ロング・ショート株式戦略で約70億ドル(約7600億円)を運用するニューマン氏はロンドンでのインタビューで語った。

 弱い経済成長、低インフレ、債券利回りの低さと、現在の欧州の状況と日本の失われた10年の類似点は積み上がっている。ニューマン氏によると、このような環境下での主要なリスクは、強固なキャッシュフロー(現金収支)を提供しない高レバレッジ企業が経済にあふれてしまうことだ。そこで同氏は、いわゆる成長株、つまり強力なバランスシートを持ち収益期待の高い企業に焦点を絞ることを勧める。

 「市場が少しでもデフレリスクを嗅ぎ取った場合、最悪なのは財務レバレッジだ」とニューマン氏は指摘。「勝者となるのは、成長のない世界で収入を伸ばせることを実証できる企業だ」と述べた。

 クオリティー株とグロース(成長)株が今年の勝ち組となる中で、ネスレなどの株価が割高になっている。ニューマン氏は2000年代初頭に日本企業を扱っていた際、なぜトヨタ自動車の株価収益率が他の自動車株と比較して非常に高いのか理解できなかったが、今では当時のトヨタが現在の欧州でのクオリティー成長株に相当することが分かると説明。地政学上ないし成長低迷のリスクが続く場合、こうした銘柄はさらに上昇する公算があるとみている。(ブルームバーグ Ksenia Galouchko)

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