国内

GAFA包囲網に日本も参画 個人データ収集の規制へ本腰

 グーグルやアップルなど「GAFA」と呼ばれる米巨大IT企業に対し、米欧当局に続き、日本政府は12日、未来投資会議を開き規制強化に乗り出した。大量の個人情報を吸い上げ広告などに利用し、市場寡占を進めているとして、特にグーグル、フェイスブックには厳しい目が向けられ、包囲網が構築されつつある。企業側にとっては規制強化が成長阻害の要因となるだけに、プライバシー重視を訴え、批判をかわそうと必死だ。

 不信感払拭に必死

 「(規制は)柔軟で業界の実情に対応したものであるべきだ」。規制強化に向けた日本側の意見聴取に対し、グーグルの担当者は過度な負担にならないような配慮を求めた。世界中の利用者が検索で利用するグーグルは地図や翻訳などのサービスを展開。閲覧履歴を通じ趣味や関心など大量の個人データを収集しているとされる。

 5月のグーグル開発者会議では地図アプリの利用履歴を個人アカウントに残さない「秘密モード」の導入などを発表。ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「プライバシーとセキュリティーは全ての人のためのものだと強く信じている」と述べた。

 音声を認識する人工知能(AI)を備え、ニュースや音楽を流したり質問に答えてくれたりするスピーカー。このAIスピーカーについても、品質改善のためとして利用者の音声をGAFA側が分析していたことが判明した。スピーカー開発で先駆けとなったアマゾンは一定期間後に音声記録を削除できる機能を発表した。

 効率的に広告を流すため対象を絞り込む「ターゲティング広告」。的に向けるという意味で利用者の過去の検索や会員制交流サイト(SNS)への投稿が基になっている。

 使い勝手の良いサービスで利用者を増やす一方、個人情報を独り占めしているとの批判は根強い。欧州当局は先んじて規制に取り組み、競争法違反でグーグルに巨額の制裁金を科した。米当局もグーグルの広告事業が独占禁止法に違反している疑いで調査。業績の先行きに不透明感が漂う。日本でも独禁法の適用拡大を検討。デジタル市場が海外企業に席巻されかねないとの危機感も。

 SNSの代表格フェイスブックは27億人が利用。米大統領選でトランプ陣営を支援した英政治コンサルティング会社が大量の個人情報を不正利用していた問題が昨年発覚した。

 今年8月には外部のサイトやアプリから集めた利用者データをターゲティング広告に使えないようにする機能を一部の国で始めた。傘下の通信アプリでは、メッセージの秘匿性を高める方針を打ち出し、不信感の払拭を急いでいる。

 グーグル、アマゾン、フェイスブックは利用者の情報を自己管理できるようにすることで納得してもらう戦略だ。日本側の意見聴取に対しては「政府の介入が強いと受け止めている」(アマゾン担当者)など、3社には抵抗感がある。

 防止機能に注力

 3社とは事業モデルが異なるアップル。iPhone(アイフォーン)など携帯端末の売り上げが収入源の大半を占める。データの収集を防ぐことなどで安心感を際立たせる狙いとみられる。

 「プライバシー(保護)は私たちがつくるすべてのものに組み込まれている」。アップルのクックCEOは今月6日、ツイッターに投稿。利用者が知らないうちに外部業者にサイトの閲覧情報やスマートフォンの位置情報が収集されるのを防いだり、制限したりする機能に力を入れている。(ニューヨーク、東京 共同)

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