海外情勢

IPO計画のアラムコにテロ・紛争リスク 企業価値目標下回る可能性

 サウジアラビア国内で来月にも新規株式公開(IPO)を計画する国営石油サウジアラムコに、テロや武力紛争による業績悪化リスクが浮上している。9月に石油施設が攻撃を受けたためだ。

 新規上場しても株価が期待通り上がらず、企業価値が目標の2兆ドル(約218兆円)を大きく下回る可能性がある。

 アラムコが9日公表した上場に関する目論見書によると、2019年7~9月期の最終利益は前年同期比約30%減の212億7700万ドルだった。

 サウジ東部アブカイクの石油施設などが攻撃を受けて生産が低下。原油安も重しになった。アラムコはテロや武力紛争などが「企業や株価に対して、著しくまた不利に影響する可能性がある」と注意喚起した。

 サウジ政府は国内の証券取引所に1~3%の株式を上場する計画とされる。事実上の最高権力者ムハンマド皇太子は企業価値2兆ドルを目指している。だが、市場関係者は1兆5000億ドル前後になる公算が大きいと指摘し、皇太子の意向と開きがある。地球温暖化問題が原油需要の減退を招き、石油企業の経営を圧迫する懸念も残る。

 国内上場の結果は今後に控える国外での上場計画の行方も左右するため、サウジ政府は成功させたい考えだ。

 上場取引所の候補としてニューヨークやロンドンとともに、東京も挙がっている。(ロンドン 共同)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus