海外情勢

英首相、総選挙の賭け裏目か 世論調査、離脱反対層の動向映さず

 ジョンソン英首相はついに望んでいた総選挙実施への議会の支持を取り付けた。ユーガブの世論調査結果によれば、与党保守党の支持率は36%と、最大野党・労働党(23%)を上回る。だが、総選挙の賭けはそれでも危険を伴い、裏目に出る恐れのある幾つかの要因が考えられる。

 2015年の総選挙、16年に行われた欧州連合(EU)離脱の賛否を問う国民投票、17年の総選挙のショックを覚えているだろうか。世論の変化を調査会社が適切に捉えきれなかったことが、共通する特徴だ。

 より質の高いデータのより速い入手が望まれる中で、調査会社はかつてない課題に直面している。ジョンソン首相率いる保守党とEU離脱に反対と考えられるモバイル世代の若い有権者の動向が、調査結果に思うように反映されないことが特に問題だ。

 保守党政権は既に9年間続き、閣僚ですら直近の3年は党の評判を落としたと内々に認める。最近はジョンソン首相を中心にまとまりを見せているが、党内抗争に明け暮れ重要な決定ができなかった過去数年の姿を拭い去るには至らないかもしれない。

 保守党政権下で人々の暮らしは良くなっていない。英政府統計局(ONS)によると、週平均賃金は依然として08年の水準を2.9%下回り、選挙で政権与党にプラスには働きにくい。

 ジョンソン首相の唱える「EU離脱を完了させよう」というスローガンは、採決の繰り返しにうんざりしている一般市民には受けそうなメッセージだ。だが、これは16年以降の政権が取り組んできた課題が1つしかなく、それすら実現できていないことの証左でもある。

 ジョンソン首相の知名度が高いことは疑いない。保守党議員らはそこに大いに期待をかけている。しかし、そのために問題も生じる。大部分の有権者の間で首相のイメージが固まっており、多くの人々が彼のことが好きではない。

 ユーガブの調査によると、ジョンソン氏に対する否定的な意見が全体の47%を占める一方、肯定的な意見は33%にとどまった。(ブルームバーグ Robert Hutton)

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