海外情勢

貿易戦争によるローン金利の低下で販売増 トランプ氏が米住宅市場を救った

 不動産デベロッパー社長出身で初めて米大統領となったドナルド・トランプ氏は、住宅市場を最近のスランプから脱却させる手助けをした。それに必要だったのは、混乱したツイートと、投資家を不安にさせる予測不可能な貿易戦争だけだった。

 ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「少なくとも当分の間、トランプ大統領の貿易戦争で唯一恩恵を受けるのは住宅産業だろう」と述べ、「貿易戦争は経済を弱体化させ、住宅ローン金利を押し下げた」と指摘した。

 住宅市場では景気が現状のように強いと金利は通常上昇し、投資家は米国債やモーゲージ債といった安全資産から離れると考えられてきた。しかし、トランプ大統領はこうした通念を一掃した。

 トランプ政権時代のサプライズの一つは、こうした混迷が住宅市場に少なくとも短期的には最高の薬となっていることだ。米国の失業率は過去50年で最低である一方、対中貿易戦争で世界経済が減速し、借り入れコストは急低下した。

 住宅ローン金利は依然として歴史的な低水準付近にある。30年物固定金利は9月、3.49%に低下。ほぼ3年ぶりの低水準で、1年前よりも1ポイント低い。コアロジックによる1971年以降のデータ分析では、この金利低下により販売件数は11万7000件増加し、予想を約35%上回った。

 「不動産王」と称されたトランプ大統領は低金利の威力を分かっている。連邦準備制度に対してまずは利上げしすぎだと苦言を呈し、最近では積極的な利下げを怠ったと批判していた。

 米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年物固定ローン金利の平均は先週3.78%に上昇し、7月以来の高水準を付けた。ザンディ氏はトランプ大統領と中国が合意をまとめた場合、金利は年内に4%超に上昇すると予想。住宅市場で始まったばかりの回復の芽を摘む恐れがあると述べた。(ブルームバーグ Prashant Gopal、Christopher Condon)

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