インタビュー

農水省 正しい情報発信へ豚コレラを「CSF」に

 農水省消費・安全局動物衛生課長 熊谷法夫さんに聞く

 --家畜伝染病の豚コレラの名称を今月12日から「CSF」に変更した。いつから検討していたのか

 「今年9月に消費地の関東でも豚コレラが発生するなど知名度が上がるにつれ、(ヒトのコレラと勘違いされるなど)『名前がよくないよね』いう意見が増えた。検討はしてきたが、ワクチン接種した豚の流通が始まるのを機に、不要な不安や不信を招かないよう正しく情報発信するために名称変更を決めた」

 --なぜ、豚コレラと呼ばれるようになったのか

 「ウイルスによって起こる豚コレラは、細菌で起こるヒトのコレラとは無関係だ。1800年代に米国で初めて発生が確認された際、同じ地域でヒトのコレラが流行し、関連が判然としないまま、『hog(豚)cholera(コレラ)』と命名され、以来そのまま使われてきた」

 --13年ぶりにワクチン接種を始めた。発生から接種に至るまで1年強を要した

 「最初の発生は昨年9月の岐阜県だったが、次の愛知県は今年2月に入ってだった。その後、三重県も7月と間が空いた。それから北陸、関東と立て続けに発生した。こうした広がりに対して、これまでの対策で十分かどうかを検討してきた」

 --豚コレラが発生した12県をワクチン接種推奨地域とした。全養豚農家の飼育豚が対象ではないのか

 「野生イノシシから感染するケースがほとんどだが、場所によっては山もなく野生イノシシがいないこともある。国が一律に決めると義務になるが、県単位で判断をしてもらうために推奨地域にとどめた」

 --ワクチン接種の豚を食べても影響はないのか

 「予防接種と同じ扱いで安全性に問題はない。輸入豚の方が安全とか、学校給食で国産豚を使わないなどの動きが出ないように関係団体に働きかけていく」

【プロフィル】熊谷法夫

 くまがい・のりお 岩手大院農学研究科獣医学専攻。1988年農林水産省、国際協力事業団、食品流通局外食産業室、畜産部畜産振興課、同部競馬監督課などを経て、2015年4月から現職。宮城県出身

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