海外情勢

タイ、ごみゼロへ僧侶が啓発

 仏教徒が国民の大多数を占めるタイで、約20年前から「ごみゼロ」に取り組む寺がある。食べ物を寄進してもらう際、ポリ袋を使わないよう要請。ごみになるとの理由で葬儀で花輪は飾らず、代わりに植樹してもらう。ごみ問題への関心が高まる中、尊敬の対象である僧侶の啓発活動が改めて注目されている。

 北部ランプーンにある寺ワット・パーブック。午前7時前、30代の僧侶、パー・サムナッタウィーさんらが托鉢(たくはつ)に出掛けた。住民が差し出した白飯や煮物を食器棚付きのカートで運んでいく。どれも皿によそったり、バナナの葉でくるんだりしてあった。

 食べ物を提供していた60代のかばん製造業、ジャンヤ・カッタサップさんは「ポリ袋を使わないことは環境を守り、子供たちのためにもなる」。次世代に豊かな自然を残すという寺の理念は住民に浸透している。

 タイでは屋台で食べ物を買い、持ち帰る人が多い。そのほとんどでポリ袋が使われる。仏教で「徳を積む」行為である托鉢僧への寄進でも、ポリ袋に入った食べ物を渡すのが一般的だ。

 パーさんによると、先代の僧侶があまりにも多くのポリ袋を捨てなければならないことに心を痛め、信徒に使用を控えるよう呼び掛け始めた。当初はなかなか理解してもらえなかったが、徐々に共感を得ていった。寺の取り組みだけで年間約7000枚のポリ袋を使わずに済む計算だという。

 寄進してもらっても食べきれない時は、肥料や魚の餌として利用する。寺の活動に影響され、今では地域の役所や学校もごみゼロに取り組む。パーさんは「住民はごみの削減が地球を守ることにつながると理解している」とうれしそうに語った。(ランプーン 共同)

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