海外情勢

香港、大量の催涙弾でダイオキシン発生か 因果関係不明ながら健康被害も 

 【香港=藤本欣也】若者らが立てこもりを続ける香港理工大では20日までに、中高校生約300人を含む約1千人が投降した。なお数十人程度が立てこもっているとみられる。一方、警官隊が大量の催涙弾を撃ち込んだ理工大の周辺などで、健康への悪影響を懸念する声が高まってきた。

 米上院は19日、「香港人権民主法案」とともに、香港警察に催涙ガスやゴム弾などの装備を輸出することを禁じる法案も可決した。

 抗議活動を催涙ガスなどで鎮圧している香港に対しては、英国など欧州各国も同様の措置を取っている。香港は現在、主に中国製の催涙弾を撃っているが、今後、中国製への依存度がさらに高まることになる。

 こうした中、香港公共放送RTHKによると、香港警察が15日、催涙弾の使用で有毒なダイオキシン類が発生することを確認し、市民の間で不安が広がった。燃焼温度が高い中国製催涙弾はダイオキシン類が発生しやすいとの見方もある。

 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、デモが本格化した6月9日以降、香港警察は少なくとも1万1100発の催涙弾を撃っている。特に香港中文大では12日だけで約1千発、理工大とその周辺では18日だけで約1400発の催涙弾を撃った。

 大学以外でも、ビジネス街の中環(セントラル)や繁華街の尖沙咀(チムサチョイ)、旺角(モンコック)などで連日連夜、催涙弾が撃ち込まれている。こうした街では一夜明けても歩くだけで目と鼻に異常を感じる。用心をして出勤を取りやめる妊婦もいる。

 因果関係は不明ながら、香港メディアは(1)中文大や理工大周辺でスズメの死骸が多く見つかった(2)前線でずっと取材していた香港の記者がダイオキシン類の過剰摂取により皮膚病を発症した-と報じている。

 14日から休校となっていた香港の小中高校は20日、授業が再開された。しかし理工大周辺では「校内に催涙ガスが残っている恐れがある」として休校を続ける学校もあった。今後、催涙ガスによる環境汚染が社会問題化する可能性が高い。

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