論風

新興国も失速、減速する世界経済 極めて深刻との認識が必要 (2/2ページ)

 「長期停滞」の予測も

 日米欧はこうした状況に対応するために、いずれも長期間の金融緩和を実施しているが、G20会議では世界的に緩和余地が減少しているとの指摘が相次ぎ、財政政策に期待する声が各国で高まりつつあるという。

 10月18日の記者会見で黒田日銀総裁は「日本の金融政策の余地が限られていることはない」と強調、麻生財務相も必要に応じて財政で景気を浮揚させる考えを改めて示したのだった。

 ハーバード大学教授ローレンス・サマーズ氏(元米財務長官)は世界経済の「長期停滞(Secular Stagnation)」の可能性を指摘し続けているが、いずれにせよ、世界経済が極めて深刻な状況に陥ってきていることは確かなようなのだ。

【プロフィル】榊原英資

 さかきばら・えいすけ 東大経卒、1965年大蔵省(現財務省)入省。ミシガン大学に留学し経済学博士号取得。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て97年に財務官就任。99年に退官、慶大教授に転じ、2006年早大教授、10年4月から現職。76歳。神奈川県出身。

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