海外情勢

ミャンマー、「中国の代替」へ誘致合戦 貿易摩擦チャンスに外資に食指 (1/2ページ)

 ミャンマーが外資誘致に躍起になっている。米中貿易戦争の激化で多くの製造業者が中国から生産拠点を移し、米国の関税を回避しようとする動きが出ているためだ。ミャンマーはあの手この手で外国からの投資を呼び込もうとしている。

 ベトナムが一歩優位

 ミャンマー投資・対外経済関係省、投資企業管理局(DICA)のアウン・ナイン・ウー局長はこのほどブルームバーグとのインタビューに応じ、同国が今年、総額58億ドル(約6300億円)の外国直接投資(FDI)誘致を目標に掲げるとともに、一部企業の進出の妨げとなっている規制緩和を急ピッチで進める考えを示した。同局長は「移転先としてはベトナムの方が優位にあるかもしれない。しかし、同国にはすでに企業が集中しており、投資家は現在、インドネシアとミャンマーに注目している」と力を込める。

 全人口の約3分の1が貧しい暮らしをしているミャンマーだが、同局長は欧米など先進国が成長を後押しする目的で同国からの輸出に後発開発途上国として一般特恵関税制度(GSP)を適用している点を一つの強みに挙げる。もっとも、課題もある。710億ドルの経済規模の同国は引き続き、電力と工業用地の供給不足といった従来の障害に直面している。

 東南アジアにおけるメーカー誘致合戦ではベトナムが一歩リードしているが、死角もある。ブルームバーグ・インテリジェンスの調査によると、ベトナムが抱えるリスクの一つがインフラの混雑にあることを示す。物流面だけでも同国が新たな需要に対応するには、コンテナ輸送力が10~12%増という過去10年のおよそ2倍のペースで拡大する必要がある。

 一帯一路に警戒感も

 世界銀行のデータによると、ミャンマーのFDIの純流入額は2017年には国内総生産(GDP)の6%だったが、ラカイン州(旧アラカン州)に住むイスラム教徒少数民族ロヒンギャが避難を強いられ難民が多数出たロヒンギャ危機の影響で、昨年は同1.8%と大幅に落ち込んだ。

 17年下半期にラカイン州でロヒンギャ族の難民危機が悪化し、米国と国連はミャンマーがロヒンギャ族の「民族浄化」をしていると批判した。この騒動を機に西側諸国がミャンマーへの援助を渋るようになると、同国は中国資本への傾斜を一段と深めた。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus