海外情勢

アップル製品の関税免除も トランプ大統領検討、サムスン優位に懸念

 トランプ米大統領は20日、対中制裁関税から米アップルの製品を適用除外にすることを検討していると述べた。テキサス州オースティンのアップル製品の組立工場を視察した際、記者団からの質問に答えた。

 トランプ氏が訪問した工場はアップルの高性能デスクトップ型パソコン(PC)「Mac Pro(マック・プロ)」などの組み立てを手掛ける。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)らが案内した。クック氏は韓国サムスン電子が中国からの輸入関税を支払う必要がないのにアップルが中国で生産する「iPhone(アイフォーン)」について課税されるのは不公平だと訴えた。

 トランプ氏はサムスンについて、素晴らしい企業だがアップルの競争相手であり、サムスンが競争上優位にあることに懸念を表明。「アップルをサムスンと同様に扱う必要がある」と語った。

 アップルは9月、マック・プロの次期モデルをテキサス州で組み立てると発表した。米通商代表部(USTR)が同月にアップルが要請していた15件の関税適用除外申請のうち10件を承認したことを受け、米国での生産を維持した。

 米中両政府は「第1段階」合意に向けて協議を続けており、12月15日に予定されている第4弾の対中関税発動までに合意に署名できるかが焦点となっている。米政権は12月15日からノート型PCや携帯電話などの約1600億ドル(約17兆3600億円)相当の中国製品に対し、新たに15%の関税を課す見通しだ。対象にはアップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」やノート型PCなども含まれ、発動されればアップルへの打撃は必至だ。

 アップルは関税回避に向け、米政府へ働き掛ける取り組みを急いでいる。同社は20日、オースティンで新拠点の建設を開始し、10億ドルを投資すると発表した。また、2023年までに米国経済に3500億ドルを貢献する計画を示したほか、米国で240万人の雇用を創出していると訴えた。

 アップルの米国生産は国内の製造業の雇用創出を目指すトランプ氏の意向に沿う形となる。トランプ氏は先週、エコノミッククラブで講演し、減税や規制緩和が経済成長を押し上げていると自賛した。米国の製造業の雇用者数は同氏が就任した17年1月以来、約44万3000人増加したものの、直近2カ月では約4万1000人減少した。(ブルームバーグ Mark Guraman、Jordan Fabian)

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