海外情勢

アリババ、香港に上場 1兆円超調達 今年最大級のIPO

 中国のインターネット通販最大手アリババグループは26日、香港証券取引所に株式を上場した。初値は187香港ドル(約2600円)で、公開価格の176香港ドルを上回った。新株は5億株を発行。資金調達額は1兆円を超え、今年の世界最大級の新規株式公開(IPO)となった。

 米ニューヨーク市場との重複上場で、米中貿易摩擦の激化に伴って米国で中国企業への締め付けが強まる中、資金調達先を分散した。このタイミングでの上場には世界的金融拠点としての香港を支えようという中国政府の思惑も見え隠れする。

 ダウ・ジョーンズ通信によると、アリババの調達額はニューヨーク証券取引所に5月に上場した米配車大手ウーバー・テクノロジーズを上回り、12月の上場が見込まれるサウジアラビア国営石油サウジアラムコに次ぐ規模となる見通し。

 香港市場のIPOとしても今年最大規模。抗議活動が長引き、国際的な金融センターとしての地位が揺らぐ香港にとって存在感をアピールする機会となった。

 トランプ米政権は安全保障上の懸念などから通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などの中国企業に禁輸措置などの制裁を科している。中国政府との関係の近さが指摘されるアリババは、中国本土の投資マネーが期待できる香港で上場し、政治リスクを最小限に抑えたい考えだ。

 アリババは8月に香港への上場を検討していたが、抗議活動に伴う情勢不安で延期していた。(香港 共同)

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