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モンゴル首都、遊牧民流入で大気汚染深刻

 モンゴルの首都ウランバートルは、厳冬期の暖房の排気による大気汚染が深刻である。世界保健機関(WHO)によると、大気汚染の原因物質の約8割はウランバートル市郊外に広がる「ゲル地域」と呼ばれる地域から排出されている。

 ゲル地域では、2000年頃から遊牧民の流入が著しく、18年のウランバートル市の人口は00年比1.9倍の150万人、国民の45%を占めるまでに増加した。流入した元遊牧民の多くはゲル(移動式テント)や簡素な木造住宅に定住している。ゲル地域の住民は、「質の悪い石炭」や「廃タイヤ」を燃料としたストーブを使用しており、これが大量のスモッグなどの深刻な大気汚染を引き起こしている。

 モンゴル政府は、改良ストーブの低価格販売や高品質炭の供給などの支援を行ってきたほか、今年5月には悪質炭の使用を禁止するなど、国家レベルでスモッグの削減に取り組んできた。こうした取り組みにより、大気汚染が最も深刻だった11、12年に比べれば、汚染物質量は減少傾向にあるものの、いまなおWHOのガイドラインを大きく上回っている。

 政府は、さらなる大気汚染対策として、今年もゲル地域の住民に対する住宅ローンの優遇措置を拡充するなどして、近代的なアパートへの移住を後押ししている。そのほか、10万戸のアパートを供給する計画も進められており、これら取り組みによるウランバートルの大気汚染の改善が期待される。(編集協力=日本政策投資銀行)

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