海外情勢

チャンス熟す中国ワイン、悪評払拭なるか 投資活発・高品質志向で生産大国へ (1/2ページ)

 中国の国産ワインが熱気を帯びている。10月、北京で建国70年を祝う国慶節の式典と軍事パレードが開催された際に、戦車や核ミサイルと並び、寧夏回族自治区のブドウ園を代表するブドウとワインのたるが展示された。ワイン産業を内陸部の基幹産業に育てようという取り組みが進められている中、寧夏回族自治区の乾燥した高地や山東省の海に面した小高い丘などで高品質のワインを手掛ける醸造家がワインの世界で徐々に存在感を高めている。

 消費量では世界5位

 フランスの最高級ワインが公の場や正式な場での高級贈答品とされる中国では、過去20年の間、ワイン需要の伸びが堅調だ。金融危機以降、中国企業による著名なフランスのブドウ園買収が相次いだことも、中国を世界有数のワイン大国に押し上げた。

 アルコール飲料に特化した市場調査会社、英IWSRによれば、ワイン市場で中国は金額ベースで米国に次ぐ世界2位、消費量でも世界5位だ。中国市場の潜在力は極めて大きく、スイスのウェルス・マネジメント・グループ、ジュリアス・ベアは昨年発表したアジア地域の報告書で、中国には2015年時点でワインをたしなむミレニアル世代(2000年代に成人する世代)が4800万人おり、毎年25%伸びると分析した。

 中国のワイン醸造所は業界の改革に努める中、米国との貿易戦争や香港の反政府抗議デモが中国の愛国心を駆り立て、国産ブランドを好む傾向が広がる可能性があると期待する。

 ただワイン消費大国とはいえ、国産ワインについては大量生産で粗悪品という悪評が拭えず、長年、国内外で酷評されてきた。米国のワイン名産地になぞらえ「第2のナパバレー」に中国のワイン生産地が変貌するには、世界的な品評会などの受賞実績が少ない現状では程遠い。

 それでも中国ワインの支持者らは、良好な国産ワインの機は熟したと話す。彼らは、若い中間所得層のワイン愛飲家が高品質の国産ワインに熱狂する可能性は大いにあるとし、ワイン需要は21年までに173億ドル(約1兆9000億円)に拡大すると見通す。

 ワイン市場は前途有望である一方、国産ワインは苦戦している。コンサルティング会社マッキンゼーが17年に実施した中国の消費者調査によれば、ワインは外国ブランドが優勢な商品の一つだった。

 ワイン界の最高峰資格マスター・オブ・ワインを持つジーニー・チョー・リー氏(香港在勤)は「中国は長年、平凡、あるいは標準未満のワインを生産してきたため、国産は通常、素晴らしいワインの対極にある。実際、中国でのワインへの理解と審美眼の水準はまだ程遠い」と手厳しい。

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