海外情勢

ウォーレン氏の批判後売却 米投資会社が“やり玉”の住宅撤退

 米投資会社ブラックストーン・グループは、前回のリセッション(景気後退)後に乗り出した戸建て賃貸住宅事業への投資から撤退する。この投資は2020年大統領選の民主党候補指名を目指すエリザベス・ウォーレン上院議員から強い非難を浴びていた。

 ブラックストーンの発表によると、同事業を手掛けるインビテーション・ホームズの残り持ち株を1株当たり30.10ドルで売却する。売却額はおよそ17億ドル(約1850億円)となる計算だ。ブラックストーンはかつてインビテーションの株式40%余りを保有していたが、今年3月から売却を開始し、保有比率を下げていた。

 株式売却や配当により、ブラックストーンは投資額の2倍以上となる約70億ドルをこれまでに得た。

 売却のタイミングがウォーレン氏の批判を受けた直後というのは「単なる偶然」だと、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェフリー・ラングボーム氏はリポートで指摘した。

 ブラックストーンなど一部の企業は住宅差し押さえが相次いだ危機の直後に物件購入を進め、米国民が経済的に困窮する中でそれらの住宅を賃貸物件に改装。インビテーションは2017年に株式を公開した上で、同業の米スターウッド・ウェイポイント・ホームズと合併して業界の巨大企業に成長した。

 ウォーレン上院議員は11月18日、ブラックストーンが08年の住宅危機から「厚顔」にも利益を得たと非難し、賃借人の権利を擁護するプランを打ち出した。

 ウォーレン議員はかねて、社会的格差の要因だとしてウォール街の企業や投資家を名指しで批判しており、18日はブラックストーンをやり玉に挙げた形だ。

 ブログ・サービス、ミディアムへの投稿で賃借人の権利強化を提案した際に同議員は、08年の危機に際してブラックストーンが「買い出動」し、差し押さえられていたアパートや戸建て住宅を購入したと批判。コロニー・キャピタルやサーベラス・キャピタル・マネジメントも標的にした。(ブルームバーグ Patrick Clark)

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