海外情勢

仏デジタル課税に24億ドル、米報復関税の戦線拡大 EU製品や南米の鉄鋼も (1/2ページ)

 中国とぎりぎりの通商協議を続けている米トランプ政権は2日、報復関税の矛先を一気に拡大する方針を明らかにした。米通商代表部(USTR)は米IT大手などを対象にフランスが導入を決めたデジタル課税への対抗措置として、約24億ドル(約2635億円)相当の同国産品への報復関税を検討すると表明。これとは別に欧州連合(EU)への報復関税を検討すると発表した。トランプ大統領はブラジルとアルゼンチンの鉄鋼・アルミニウムに対する関税を復活すると発表した。

 「不当な狙い撃ち」

 USTRは声明で「フランスのデジタル課税は米企業に対して差別的だ」と指摘。ライトハイザーUSTR代表は、オーストリアとイタリア、トルコの3カ国によるデジタル課税についても調査を開始するかどうか検討していると明らかにした。

 同代表は「USTRのきょうの決定は米企業を差別したり、不当な負担を課したりするデジタル課税制度に対し、米国が対応措置を講じるという明確なメッセージを送るものだ」と説明し、「EU加盟国間で広がる保護主義は米企業を不当に狙い撃ちしている。USTRはこうした保護主義への対抗に力を注ぐ」と強調した。対仏関税は来年前半の意見公募期間終了後に導入される見通しだ。

 USTRによると、「一部のフランス製品への最大100%の追加課税」などの措置が提案されており、対象となる可能性がある輸入品リストにはスパークリングワイン、チーズ、ハンドバッグ、化粧品が記載されているという。

 また、USTRは同日、EU製品への関税措置を強化する手続きを開始すると表明した。世界貿易機関(WTO)が同日、EUのエアバス補助金をルール違反とする判断を改めて示したことを受けた措置だ。週内に手続きを発表するとした。

 選挙控え票田意識

 一方、トランプ大統領は同日のツイッターで、ブラジル、アルゼンチンの両国が「甚だしい規模で自国通貨の切り下げを行ってきた。これは米国の農民に害を及ぼす。従って、両国産のすべての鉄鋼とアルミに対する関税を直ちに復活させる」と宣言した。

 関税復活は米中貿易摩擦で、米国に代わって中国に大豆など農産品を輸出する2国への報復に相当する。2020年に大統領選挙を控え、大統領の重要な票田となる国内農家を意識した格好だ。米国は18年3月に各国への鉄鋼・アルミ関税を発動した際に両国を除外していた。

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