国内

「一律規制」まちづくりのネックに 大阪・島本町の高さ制限案

 大阪府島本町の臨時町議会で4日否決された、住民が直接請求した建築物の高さ制限条例案。町内全域で一律に20メートル以下としたことがネックになった。建築物の高さを規制する条例を制定している自治体はあるが、地域によって細かく高さ制限を変えている。一律規制は異例で、まちづくりへの影響が大きいことから、大半の議員が反対に回った。

 高さ制限を盛り込んだ条例は、神奈川県逗子市や東京都国立市などが制定。逗子市は第一種低層住居専用地域や商業地域など8地域で10~20メートル以下、国立市も6地域で16~31メートル以下にするよう規定している。いずれも住民による直接請求ではなく、自治体側が条例化した。

 条例を制定していない自治体の高さ制限は、開発などに伴う都市計画で、地域ごとに個別に決められている。

 高さ規制を一律としたことについて請求代表者の一人で、元高校教諭の末岡友行さん(37)は「散策する人たちが町を囲む山を見られるようにしようと思った。町域が狭いことも理由」と説明。だが、商業地や住宅地にかかわらずいっせいに規制されるため、議員からは異論が相次いだ。

 町内では近年、高さ20~40メートル台のマンション建設が相次いでいる。さらに平成20年に開業したJR島本駅の西側では区画整理で、350戸程度の大型マンションも計画されていた。マンションの詳細は未定だが、決定された都市計画では高さ50メートルまでの建物が建設できる。

 こうした状況に危機感を抱いた町民20人が、直接請求による条例化を目指し、9月から必要な署名活動を始めた。

 大阪市と京都市の中間…町内に「山崎蒸溜所」

 大阪府島本町は、大阪市と京都市の中間地点に位置し、長岡京市や大山崎町など京都府に接している。面積は16・81平方キロで、東京都新宿区(18・22平方キロ)に近い。人口は約3万1千人。

 木津川、宇治川、桂川が合流する淀川岸に広がり、町域の約7割が山間部で、緑豊かな環境が特徴。鉄道駅としては平成20年に開業したJR東海道線の島本駅、京都府大山崎町にもまたがる同線の山崎駅、阪急京都線の水無瀬駅がある。交通アクセスがよいことから、昭和40年代から大阪、京都のベッドタウンとして成長してきた。

 昭和60年に当時の環境庁(現・環境省)が「全国名水百選」に選定した「離宮(りきゅう)の水」が有名で、町などがPRに努めている。水無瀬神宮内にあり、境内の水くみ場には、多くの人たちが訪れて取水している。

 また、日本初のウイスキー蒸留所として知られる「サントリー山崎蒸溜所」も広く知られており、製造工程の見学や試飲ができる。

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