海外情勢

仮想通貨トレーダー、匿名性捨てて急成長 世界取引の5%を扱う

 仮想通貨の不透明な世界では、ほとんどのトレーダーが正体を隠している。匿名性が、ハッキングされたり戦略を知られたりするのを防ぐのに役立つと考えているからだ。

 しかし、アラメダ・リサーチは逆のアプローチを取り、仮想通貨交換所ビットメックスの「リーダーボード」に取引パフォーマンスを実名で載せている。他のユーザーは仮名を使う。取引を開始した時点からの累積利益で上位10のトレーダーに、アラメダのアカウントが2つ入っている。それらの累積利益は6000万ドル(約65億2400万円)を超える。

 アラメダの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマンフリード氏(27)は「多くの場合、仮想通貨の世界では誰が何をしているかを外からうかがい知るのは非常に難しい」が、「リーダーボードでは実際に数量化して検証することが可能だ。ここが他社と違う」と話した。

 バンクマンフリード氏によれば、アービトラージやその他の戦略を駆使するアラメダは現在1日当たり約10億ドルの取引を扱い、世界の取引高の約5%を占める。同氏は大きな動きを見逃さないように香港のオフィスに泊まり込むこともあるという。

 同氏は2017年に米カリフォルニア州バークレーのアパートでアラメダを設立した。ビットメックスのリーダーボードに名前を載せることは19年に決定した。店頭トレーディングデスクを開設したばかりで、交換所や顧客に対して知名度を上げたかった。今年の春には独自の仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)取引所、FTXを開始した。

 「交換所は全て、私たちが誰であるかを知っていて、私たちの取引高も見ていた。しかし、他の取引参加者は私たちのことを知らなかった」と、バンクマンフリード氏は述べた。店頭取引デスクは予想よりも多くの顧客を獲得したし、取引所は既に1日に数億ドルのデリバティブ取引を行っているという。リーダーボードに名前を載せたことは間違いなく役に立ったと同氏は付け加えた。

 ブロックチェーン技術を提供するコンセンシスのグローバル金融テクノロジー共同責任者、レックス・ソコリン氏は「運用会社にとってリーダーボードは、自社サービスのマーケティングに使用できる実績の証拠として利用できるものだ」と話した。(ブルームバーグ Olga Kharif)

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