海外情勢

米下院民主、トランプ氏の弾劾条項発表 権力乱用と議会妨害を指摘

 米下院民主党は10日、トランプ大統領の罷免に向けた弾劾条項として「権力乱用」と「議会妨害」の2つの項目を発表した。大統領とウクライナとの関係に的を絞って、弾劾手続きを進めようとするペロシ下院議長をはじめとする同党指導部の方針を反映した形だ。

 「前例なき大統領」

 下院司法委員会はこれら2つの条項をまとめた9ページの決議案を公表。トランプ大統領が「個人の不当な政治的利益を得るため、国家安全保障などの重大な国益を無視したり害したりすることで大統領権限を乱用した」と指摘した。

 決議案では大統領の議会妨害に関し、「共和国の歴史において、弾劾調査を完全に無視するよう命じるか、もしくは『重大な罪および軽罪』を調査する下院の権能をこれほど徹底的に妨害しようとしたり阻害したりした大統領は他にいない」と非難した。

 下院情報特別委員会のシフ委員長は、ペロシ議長らとともに臨んだ記者会見で、「大統領による不正行為の証拠は圧倒的かつ争う余地がない」とし、「われわれが2020年に自由で公正な選挙を行うことができるかどうかという核心に触れるものだ」と語った。

 ナドラー下院司法委員長は、来週の実施が予想される下院本会議採決に向けて同委で弾劾訴追状を起草すると述べた。事情に詳しい下院スタッフによれば、司法委は11日夜から訴追状の検討を始める計画という。

 上院3分の2の壁

 共和党のマコネル上院院内総務は10日、民主党が過半数を握る下院で弾劾訴追の決定が下され、上院で弾劾裁判を行うことになった場合、審理は1月初めから半ばに始まるとの見通しを示した。

 ただ、上院の弾劾裁判で大統領の罷免を決めるには、議員の3分の2以上が有罪の判断を下す必要があり、共和党が過半数を占める現状を踏まえれば、弾劾に至る可能性は皆無だ。

 ホワイトハウスのグリシャム大統領報道官は、上院で弾劾裁判となった場合、トランプ大統領が出席するかどうか、まだ分からないと話した。

 ナドラー委員長はトランプ大統領について、自身の再選に有利になるよう外国政府に支援を求めるとともに、議会による調査を「前例のない形で絶対的かつ見境なく無視」したのは、米国憲法が定める「重大な罪および軽罪」に該当すると説明した。

 またナドラー、シフ両委員長は発表資料で、トランプ大統領が職権を用い、就任したばかりのウクライナ大統領に圧力をかけて、自分の個人的かつ政治的利益のために政治的動機に基づく調査を発表するよう要求したと主張した。(ブルームバーグ Billy House)

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