海外情勢

日本流接客術で自立を促す ベトナム、飲食店で若者がサービス学ぶ

 ベトナム南部の商都ホーチミンに、日本人が経営する地元料理のレストランがある。貧困に苦しんでいたり、孤児だったりした若者らを雇い、接客や英語を学びながら自立のきっかけをつかんでもらおうと開業した。20年近く続く人気店となっている。

 観光スポットや大規模商業施設が集まるホーチミン中心部のレストラン「フーンライ」。店名は「ジャスミンの香り」の意味で、オーナーの白井尋さんが2001年に開いた。レモングラス風味の鶏肉の煮付けや豚の角煮など家庭料理が売り物だ。

 大学卒業後、会社員だった白井さんは「異文化の中で自分の可能性を広げたい」と、1997年にベトナムに渡った。ベトナム語を学び、日本人向け補習校の教員などをしているうちに「もっと地元社会に関わりたい」との思いを抱いた。関心を持ったのは、孤児や貧困の問題だった。

 当時、ホーチミンには路上生活をする子供が多かった。知人の紹介で孤児院を訪ねたところ「語学やコミュニケーションの潜在能力が高く、教育や就労の機会さえあれば開花しそうな子がいっぱいいた」という。

 そこで思い付いたのが外国人居住者や観光客に接することができるレストラン。これまでに延べ約70人の若者を雇い、勤務と並行して高校や語学学校に通えるよう支援してきた。

 スタッフの勉強時間確保のため、営業は昼と夜の数時間に限定。英語を学べるよう外国人客を大切にして、地元メディアへの登場は控えた。

 数年勤めてサービスを学んだ後、別のホテルやレストランに移る若者が大半という。白井さんは「若者の人生のステップアップに役立ちたい。20代で店を始め、若者と接することで私自身も成長できた」と語った。(ホーチミン 共同)

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