データで読む

ASEAN 米中摩擦恩恵も輸出伸び悪化

 米中両国は13日、一部貿易合意に至り、15日の発動が予定されていた「第4弾」の関税引き上げも見送られた。ただ、技術覇権をめぐる争いなどもあり、今後も両国の摩擦は残るとみられる。こうした中、中国の人件費の上昇もあって企業はサプライチェーン再構築を続けており、東南アジアの一部に恩恵をもたらすとみられる。アジア開発銀行は、中国から東南アジアなどへの生産移転が進み、中期的にベトナムやマレーシアなどの経済成長が高まる可能性があると指摘する。

 各国の対米輸出をみると、2019年に入ってインドネシア、マレーシアで前年割れとなった一方、ベトナムは前年比3割強に加速した。中国からの対米輸出の迂回(うかい)や生産の一部移転があったとみられ、米中貿易摩擦による「漁夫の利」を得ている。もっとも、輸出全体の伸びでみると5カ国全てで悪化しており、「漁夫の利」があったとしても、中国をはじめとする世界経済の減速によるマイナスの影響が上回っている。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の対米貿易黒字は、主要5カ国の合計で1000億ドル(約10兆8600億円)を超え、ベトナムは単独でも日本、アイルランドに続き6位に入る。米政府は、拡大する貿易黒字に対して警戒感を強めており、今年5月の為替報告書でベトナムとマレーシアを「監視対象国」に追加した。高水準の対米黒字が続けば、今後ASEAN諸国が米国の貿易戦争の標的となる可能性は否定できない。(編集協力=日本政策投資銀行)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus