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パリ協定ルール合意先送り COP25、対立解けず閉幕

 スペイン・マドリードで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は15日、一部積み残されていたパリ協定の実施ルール作りの合意を断念し、来年の次回会合に先送りする決議を採択し、閉幕した。会期を2日延長して徹夜で協議したが対立が解けなかった。

 来年に本格始動するパリ協定では、深刻な地球温暖化を踏まえて史上初めて、全ての参加国が自主的な目標を掲げて温室効果ガス排出削減を進める。ルールの大枠は過去の交渉で決まっており、完成しなくても協定は始動するが、出だしから課題を抱えることになった。

 COP25は13日までの会期を2日延長し、徹夜で協議。ルール作りでは、他国への技術支援などに伴う排出削減を自国の目標達成に充てる仕組みで合意が期待された。

 だが支援を受けた側も自国の目標に使えるよう主張するブラジルに対し、多くの国が「二重計上だ」と反発し交渉は停滞。京都議定書でも同様の仕組みがあり、これまで目標達成に使ってこなかった削減分をパリ協定に繰り越すことを認めるかどうかで対立が続き、妥結に至らなかった。

 会議では、各国が国連に来年再提出する排出削減目標の水準引き上げも焦点だった。義務付けにつながる強い文言が期待されたが、採択された決定文書は引き上げを促す表現にとどまった。(マドリード 共同)

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