政府は令和２年度予算案に病院再編・統合を促す地域医療構想の推進に向け、病院が病床を削減した場合に補助金を交付する「ダウンサイジング支援」として８４億円を計上した。３年度以降は消費税を財源とする支援制度を整備する。
厚生労働省は公立・公的病院だけでなく民間病院も補助対象にする方針で、稼働している病床の１０％以上を削減する場合などを想定している。同省は９月、再編・統合の議論が必要と判断した４２４の公立・公的病院名を公表。対象の医療関係者や地元自治体から反発が相次いでいた。
政府は全ての団塊世代が後期高齢者になる２０２５年（令和７）年に向け、医療費の膨張を抑制する仕組みの構築を急いでいる。地域医療構想の推進はその一環だ。高齢化に伴い介護のニーズが高まる中、介護人材の処遇改善に５０６億円と前年度当初予算の２倍以上を盛り込んだ。
バブル崩壊後、就職難に直面した就職氷河期世代への支援に前年度比１４３億円増の６３２億円を計上した。氷河期世代の失業者を正社員で雇い入れた企業への助成金拡充などが含まれる。高齢者の就労・社会参加の促進には３１２億円と２３億円増やした。