海外情勢

マイナス金利反対派に加勢 PIMCO、消費抑制など欠陥3点指摘

 債券ファンド大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)が、マイナス金利政策には効果より弊害の方が大きいと指摘するグループに加わった。

 PIMCOは公表したリポートで、マイナス金利の重要な欠陥を3つ挙げた。第1は銀行の収益性を圧迫し、貸し付けを減らす結果になる可能性があることで、第2は市場のリターンを押し下げ固定給付を提供する年金基金と保険会社にとって「深刻な難題」になることだ。貯蓄者が貧しくなっているように感じる「幻想」を生み出し消費を抑制することが3番目の問題点だとしている。

 マイナス金利を採用している欧州中央銀行(ECB)と日本銀行にはかねて、こうした批判が向けられている。その意味で、1兆9000億ドル(約208兆円)を運用するPIMCOの指摘には重みがある。ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)もマイナス金利政策を「失敗した実験」と呼んだ。

 PIMCOのポートフォリオマネジャー、ニコラ・マイ、ぺダー・ベックフリス両氏は、「マイナス金利政策の意図せぬ結果は既に顕著だ。これ以上実行する余地はあまりない」とコメントした。

 PIMCOは、銀行では「重大なトラブルが水面下で醸成されている」とも分析。また、リターンを高めるために流動性の低い資産に投資家が目を向けることが、年金基金にとって特に危険だとし、不安定化したり、義務付けられている一定水準の支払いができなくなったりした場合に資本注入の必要性が生じる可能性などに触れた。

 預金者の懸念も増している。政策金利がマイナス0.75%のデンマークでは、リテール(小口)の顧客にコストを転嫁する銀行が増えており、かつての禁じ手が標準になるかもしれない。PIMCOによると、理論上とは反対に「一部の国で家計貯蓄率が上昇した兆候がある」という。

 マイナス金利を採用しているのはECBと日銀、デンマークのほかスイスとスウェーデン。スウェーデン中銀は19日、マイナス0.25%の政策金利をゼロに引き上げることを決定した。(ブルームバーグ Piotr Skolimowski)

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