海外情勢

中国、859品目関税下げ 豚肉やハイテク部品など 市場開放アピール

 中国政府は23日、来年1月1日から食品やハイテク製品の部品など859品目の輸入品に課している関税を引き下げると発表した。7月1日からは一部の情報技術(IT)製品に対する輸入関税も引き下げる。貿易障壁を軽減し中国の経済開放をアピールするとともに、国内消費者が負担するコストを低減して内需を刺激する。

 国内消費刺激へ

 今回の引き下げにより、859品目に既存の最恵国税率よりも低い暫定的な輸入関税率が2020年に適用される。アフリカ豚コレラの大流行で不足する豚肉の供給を緩和させる狙いから、品目リストには冷凍豚肉が含まれている。他にも冷凍アボカドやオレンジ果汁、ぜんそく・糖尿病の新薬、集積回路(IC)製造の主要部材や機器、一部の木材・紙製品の関税も下げる。

 中国指導部は特定の国内消費ニーズを満たすため関税をさらに下げる考えを繰り返し表明してきた。中国財務省は声明で、関税引き下げ措置について「開放経済を新たなレベルに進めるものだ」と説明した。

 輸入関税の引き下げが予定されている品目には、スマートフォンのカメラセンサーや液晶ディスプレー用ガラス、高級テレビやスマートフォンに使われる有機ELスクリーン、半導体検査やソーティング装置なども含まれる。昨年も同様の措置が発表された。ブルームバーグの計算では関税引き下げ対象品目の18年の輸入額はおよそ3890億ドル(約42兆5680億円)だった。

 対米貿易も意識か

 中国は17年以降、ワインや乳幼児製品、ウイスキー、海産物といった品目の輸入関税を引き下げており、これらは20年も引き続き対象となっている。

 こうした動きは米中貿易戦争と直接関係しないが、トランプ政権との合意を追求する中で経済を一段と開放するとの中国政府の主張を裏付けるものだ。来年の経済成長率が6%ないしそれ以下に減速すると見込まれる中、中国当局は輸入消費財のコスト低減にも関心がある。

 ナティクシス(香港)のエコノミスト、ギャリー・ング氏は「輸入関税引き下げは、貿易戦争のさなかに世界に向けて、中国は自由貿易を擁護する姿勢だと再確認する同国政府の狙いを反映している。対内的には、輸入関税引き下げで企業や消費者が負担するコスト低減に役立つ」と説明する。

 今年は中国経済の広範な分野で成長が鈍化する中、輸入の伸びが停滞、貿易黒字拡大に寄与した。中国は今月、米国との貿易協議の第1段階として、部分的に合意し、今後2年間で米国からの輸入を2000億ドル相当増やすことを約束している。(ブルームバーグ Miao Han、Lulu Shen)

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