海外情勢

20年新車販売2%減見通し 業界分析 22年以降本格回復

 中国自動車工業協会は先ごろ、2020年の新車販売台数が前年実績を下回るとの見通しを示した。米国との貿易摩擦が長期化したことで消費者心理が冷え込み、19年は2年連続のマイナス成長となることが確実。このままでは3年連続の前年割れが視野に入る。市場の回復が遅れれば、日系メーカーにとっても厳しい環境が続くことになる。

 米中が貿易協議の「第1段階」合意に達したことで、摩擦が緩和に向かい市況が改善するかどうかが鍵となる。

 中国の新車販売は19年11月まで17カ月連続で前年実績と比べて減少した。日本車は比較的堅調で、トヨタ自動車やホンダが好調を維持。ただドイツ勢などとの競争は激しく、日産自動車やマツダは苦戦が目立つ。

 中国メディアによると、自動車工業協会の担当者は19年の販売台数について、前年比で8%減の2580万台程度になると予測。20年も下押し圧力は続き、2%減の約2530万台になると分析した。

 市場の本格的な回復は22年になるとした。23年以降は4%程度の成長が見込めるという。

 中国の自動車業界は生産能力の過剰に陥っているが、一部メーカーはさらに能力増強に動いているとの指摘もある。市場のバランスが崩れれば、各社の販売戦略にも影響しそうだ。

 中国の18年の新車販売は前年比2.8%減の2808万600台と、28年ぶりの減少だった。(北京 共同)

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