海外情勢

米大統領選がトップリスク 2020年に世界市場を脅かす10大リスクを発表

 国際情勢リスクを分析するコンサルティング会社、ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長は6日、2020年に世界市場を脅かす10大リスクを発表した。最大のリスクは米大統領選挙であり、社会不安やある程度の政治的暴力などにつながり得ると指摘した。10大リスクは以下の通り。

 (1)米大統領選 11月の米大統領選を前に米国の制度が前例のない形で試される見通しだ。トランプ大統領による不正行為が取りざたされる中で、トランプ氏が勝っても負けても選挙の無効が申し立てられるだろう。

 (2)技術の分断 米中ハイテク企業間の競争は半導体やクラウドコンピューティングなど幅広い経済活動に広がり、中国企業は投資水準が押し下げられ株式上場が妨げられる。

 (3)米中関係 貿易戦争は休戦状態にあるものの、事態打開の可能性は低い。米国は中国企業への出資規制の取り組みや制裁、技術管理など中国に強硬な措置を講じる見込み。これに対し中国は米企業を「信頼できない組織のリスト」に加えることで報復するだろう。

 (4)多国籍企業の経営首脳 各国が経済成長鈍化や格差拡大、安全保障問題に取り組む中、世界的に多国籍企業の経営首脳は一段と対立的な規制環境に直面するだろう。

 (5)インド首相 インドのモディ首相の物議を醸す社会政策で同国の宗派をめぐる不安定さが増し、同国は外交政策と経済の両面で後退する見通しだ。

 (6)欧州が引き起こす摩擦 欧州は軍需品貿易や技術開発の障壁を取り除こうとして米中と争う。米国は自動車や消費財など輸出への依存度が高い欧州の一部セクターに懲罰的な関税を賦課する公算が大きい。

 (7)気候変動 各国政府や企業首脳、投資家は今年、環境と持続可能性、ガバナンスの基準を守るよう一段の圧力を受けるほか、コスト増にも対応するよう求められるだろう。

 (8)中東 世界的リスクとしては下位にランク付けした。ブレマー氏はイランが比較的小規模な攻撃を行った場合でも「米国の反撃はトランプ大統領がツイートしたよりも釣り合いの取れた規模になる」と分析。

 (9)中南米での不満 成長の停滞や汚職などに対する国民の不満が強く、政治の不安定化リスクは引き続き高い。

 (10)トルコの挑発 エルドアン大統領は支持率が下がれば挑発行為に出る可能性があり、現在でも不調なトルコ経済がさらに打撃を受けるだろう。(ブルームバーグ Sydney Maki、Ben Bartenstein)

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