国内

「2050年CO2ゼロ」31自治体が表明も…イメージ先行、実現には課題

 地域内で出る二酸化炭素(CO2)を森林などの吸収量と均衡させる「CO2排出実質ゼロ」の2050年達成を宣言する自治体が相次いでいる。徳島県や栃木県那須塩原市など31自治体が表明し、環境省がまとめた合計人口は4700万人を超えた。環境に優しいイメージや省エネ投資の経済効果などを期待するが、実現には課題も残る。

 CO2ゼロ自治体は地域から温暖化対策を進めようとする試み。国内では昨年9月まで4自治体にとどまっていたが、同12月の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に向けた小泉進次郎環境相の積極的な働き掛けで急増。温暖化に伴って頻発する豪雨被害への危機感も後押しした。

 昨年5月に宣言した東京都は、30年までに都内で販売する新車の半数を電気自動車や燃料電池車にするため、充電設備の普及などに取り組む。横浜市は同6月の表明に先立ち、東北地方の12市町村から再生可能エネルギーを購入する協定を締結。市内企業などへ供給し火力電力の使用割合を抑える。

 一方で昨年10月以降に表明した27自治体には森林面積が広い小規模な市町村が目立つ。もともとCO2の排出量が少ない上、水素活用や人工光合成といった技術革新に期待したり、具体策を先送りしたりするケースも多い。

 欧州連合(EU)など先進国では50年までのCO2ゼロを宣言する国や地域が主流になっているが、日本は産業界の反対が強く、国全体のゼロ宣言は見通しが立たない。政府の代わりに自治体に宣言を促す手法には、環境省内でも「国際的な批判をかわす弥縫策と言われても仕方ない」(幹部)との声がある。

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