海外情勢

中国の為替操作国解除 米政府、NY株は最高値更新

 米財務省は13日、議会に提出した半期に1度の為替報告書で中国の為替操作国認定を解除した。同国が人民元切り下げを行わないという「実行可能なコミットメント」を行ったほか、為替のデータ公表に同意したことを理由に挙げた。両国がワシントンで15日に署名する貿易協議「第1段階」の合意を前に歩み寄りムードが高まり、ニューヨーク株式市場ではS&P500種が過去最高値を記録した。

 認定国・地域なし

 為替報告書は昨年10月中旬に公表される予定だったが、米中の貿易交渉が続く中、先延ばしされていた。45ページから成る為替報告書によると、報告書の対象とする20の国・地域のうち、為替操作を認定した国・地域はなかった。また報告書の対象国のうち、より警戒が必要な「監視対象国」に新たにスイスを追加。中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムが引き続き監視対象国に指定された。

 米国は昨年8月、中国が「自国通貨切り下げの具体的な措置を講じた」として同国を為替操作国と認定。それ以来、両国は交渉を続けてきた。為替報告書は中国人民銀行(中央銀行)が昨年、介入を「ほとんど行わなかったようだ」と指摘した。

 為替操作の有無を判断する基準は3つあり、1つは対米経常黒字が国内総生産(GDP)比2%以上。残る2つは自国通貨のための為替市場への持続的介入と、200億ドル(約2兆2000億円)以上の対米貿易黒字だ。これら3つの基準のうち2つに抵触すると認定された国が、監視対象国に指定される。

 為替報告書は、4月に公表予定の次回の報告書でアイルランドが監視対象国から外される可能性があるとした。またタイと台湾は監視対象国・地域とされなかったが、主要基準の抵触に近づいているとした。

 第1段階の米中貿易合意署名の調印式は米東部時間15日午前11時半(日本時間16日午前1時半)にホワイトハウスのイーストルームで行われる。

 部分合意が実現

 第1段階合意には、中国が米国の知的財産を尊重し、自国通貨を操作しないという公約が盛り込まれる見込み。今回の為替操作国認定解除もこの合意を先取りして行われた。米当局者はまた、中国による2000億ドル相当の新たな米産品購入を見込んでおり、これにより米貿易赤字が縮小するほか、農家が被った打撃が緩和されるとみられ、多くの懐疑論者が不可能だとみていた部分合意が実現することになる。

 ムニューシン財務長官は13日の声明で、「中国は透明性と説明責任を推進しながら、競争的な通貨切り下げを行わないという実行可能な公約をした」と説明した。

 13日のニューヨーク株式市場ではハイテク株を中心に買いが先行したが、中国に対する為替操作国の認定解除の情報が伝わると上げ幅を拡大し、S&P500種とナスダック総合指数は最高値を更新した。(ブルームバーグ Saleha Mohsin)

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