海外情勢

第1段階合意順守に疑念も 対中強硬派は圧力緩和失望

 米中貿易協議の「第1段階」合意の署名を前に先行きへの楽観ムードが広がる中、米国では中国が第1段階の合意を履行するかをめぐり懐疑的見方がでている。中国が過去にたびたび約束を破り、歴代の米大統領が数十年もの間、だまされてきたという歴史があるからだ。

 中国が約束を果たさなかった場合、選挙を控えたトランプ大統領に市場を乱すリスクがあっても行動を起こす政治的勇気があるかどうかが問題となる。

 ムニューシン米財務長官は12日、米フォックス・ニュースで「中国が合意内容を守らなければ、既存分のみならず追加分についても関税を課す権限が大統領にはある」と強調した。

 ただトランプ政権内の対中政策強硬派の筆頭として、首席戦略官兼大統領上級顧問を務めたスティーブン・バノン氏は、中国が合意内容を守らない場合、11月の米大統領選挙前に大統領が行動を起こす余裕はないと言い切る。

 同氏は「2020年の大統領選後ずっと中国が約束を果たすかどうかを確実にできるとは思わない」と述べ、中国共産党を米国の脅威とみる自身のような対中強硬派は、中国政府への圧力を緩和した第1段階合意に絶えず失望していると話す。

 一方、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家ジュード・ブランシェット氏は「中国、とりわけ中国の経済ナショナリズム信奉者が第1段階合意で付け上がり、約束を無視している兆候がすでに表れている。弾劾訴追から来る大統領選、イラン問題など中国はトランプ氏の血の匂いを嗅いでいる」と話す。

 この上で「弾劾訴追以降は中国国内で『トランプ氏に対する中国の影響力が以前に比べ、格段に大きくなった』という話が常に出ている」と指摘した。(ブルームバーグ Shawn Donnan、Jenny Leonard)

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