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「チバニアン」決定へきょう最終審査 日本初の地質年代名なるか

 地球の歴史で約77万~12万6千年前の年代を「チバニアン」(千葉時代)と命名する日本の研究チームの提案について17日、国際学会の最終審査が行われる。順当にいけば命名が正式に決定し、地質年代に日本の名前が初めて採用される見込みだ。

 国際地質科学連合が韓国・釜山で開く理事会で日本の提案内容を審査。日米欧などの理事10人による投票が行われ、6人以上の賛成が得られれば正式に承認される。

 国立極地研究所や茨城大などのチームが平成29年、千葉県市原市の地層をこの年代の基準地とし、年代名をチバニアンとすることを提案。4段階の審査のうち、1次審査で対抗するイタリアの提案を退けた後、昨年11月に3次審査を通過していた。

 最終の4次審査は本格的な議論ではなく、3次審査の内容を確認する役割にとどまるため、日本の提案が承認される公算が大きい。ただ、敗れたイタリアの理事らが反対したり、棄権したりする可能性もあり、予断を許さない。

 審査をめぐっては、国内の反対者が研究内容に不正があると主張したほか、研究目的での地層への立ち入りを妨げる活動をするなどした影響で手続きが長期化した。

 地質年代は地球が誕生してから現在までの46億年間を大小の時代ごとに区切ったもので、恐竜が繁栄したジュラ紀などが有名。約77万年前は地球の磁気の方向が南北で逆転する現象が最後に起きたことで知られ、同市の地層はこの現象の明瞭な痕跡があることが評価されている。

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