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老舗百貨店、大沼の破産で山形県が取引先に融資 国の支援も要請

 創業から320年の歴史を持つ山形市の老舗百貨店、大沼が27日に自己破産を申請し、破産手続きの開始が決定されたことを受け、山形県は28日、連鎖倒産を防ぐため、運転資金を融資する県の制度を取引先の中小企業に適用すると発表した。さらに県は、取引先の資金繰りを支援する国の「セーフティーネット保証制度」の適用も政府に要請する。

 適用するのは県の商工業振興資金融資制度。経営の安定に必要な運転資金を8000万円を限度に年1.6%の利率で貸し付ける。貸付期間は7年以内。

 国の保証制度が適用されれば、大沼に対して50万円以上の売掛債権などがあるか、自社の取引全体に占める大沼の割合が2割を超える中小企業は、信用保証協会の保証が拡充され、金融機関からの融資が受けやすくなる。

 県はまた、解雇された大沼の従業員191人と、取引先の中小企業を対象とする相談窓口をそれぞれ開設した。山形市も、大沼のテナントを含めた同様の相談窓口を設置。テナントに対しては、中心市街地の空き店舗情報を提供するなどの支援を行う。

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