よむベトナムトレンド

私立大学設立が活況 目立つ外資参入

 近年、ベトナムでは民間組織による教育ビジネスの市場成長が著しい。主には私立学校の設立だ。ベトナムでは2016年に9270万人だった人口が18年には9470万人、19年4月現在では9620万人と増えている。そして13年から18年にかけて、大学の数も221校から235校に増加している。

 大学の数が増えている中でまず注目すべきは、外資による私立大学設立だ。ベトナムでは100%外資の大学設立を法的に認めており、フルブライト大学ベトナム校、RMIT大学ベトナム校、ブリティッシュ・ユニバーシティー・ベトナムは完全外資による設立である。また、ハノイ科学技術大学や日越大学などのように、ベトナム国外から出資を受けている大学もある。これらは、ハイレベルな教育を子供に受けさせたいが留学費を払う余裕のない家庭や、ベトナムで生活する外国人家庭のニーズとも合致する。

 適齢期人口25.5%

 外資参入が盛んな理由は、ベトナムの人口統計で高等教育の適齢期人口(16歳以上)が多いこと、同国において教育ビジネスが安定成長し、他分野より投資リスクが低い特性から推察される。

 国連人口基金(UNFPA)のリポートではベトナムの16~30歳人口は全体の25.5%(14年)に上り、米誌フォーブスによると、17年に財務データを公表したベトナムの大学のうち77%が黒字だったことが、一つの裏付けとなる。

 独自の教科が必要

 ただし、外資が参入する上では大きな障壁もある。私立学校設立に必要な最低資本金は1兆ドン(約47億円)で、複数のライセンスを取得しなければならない。宗教や政治について教育してはならない規制がある一方で、哲学などベトナム独自の教科を追加する必要があり、外資の大学にとっては本来の学習・教育計画と齟齬(そご)が生じる可能性がある。

 その点、国内法への理解などでアドバンテージが生かされるのは自国企業による大学設立だろう。大手デベロッパーのFLCグループは、クアンニン省ハロン市にFLC大学を建設するため、19年から総額4兆ドンの投資を開始。大手複合企業、ビングループもビン大学設立のため5兆ドンを投じており、30年にも完成予定である。

 現在、ベトナム政府は25年までに全大学に占める私立の割合を30%、私立に通う学生数の割合を22.5%に増加させることを目標としている。

 18年の同割合はそれぞれ27.6%、18.2%だった。私立学校の設立は今後も内資・外資問わず参入があるとみられており、当面の間、拡大し続けることだろう。

 B&Company株式会社:日系で初・唯一のベトナム市場調査専門企業。消費者や業界へのアンケート・インタビュー調査と参入戦略を得意分野としている。b-company.jp

 「ASEAN経済通信」https://www.asean-economy.com

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus