海外情勢

中国の映画・カジノ大打撃 新型肺炎が春節直撃、顧客激減

 中国の娯楽産業が新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けている。中国本土では春節(旧正月)連休に合わせた新作映画公開が相次いで中止された。世界最大のカジノ都市、マカオでも、客足が前年同期比で約3分の1に大幅減少。27日の米市場で米カジノ大手各社の株価は急落した。

 中国本土の映画館にとって例年1月末から始まる春節は一年で最も重要な大型連休だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、最大の書き入れ時が台無しになっている。

 中国不動産大手、万達集団傘下の映画会社、万達電影は、24日に予定していた人気コメディー映画シリーズ最新作「唐人街探案(とうじんがいたんあん)3」の公開を見送った。

 今年の春節連休で最も期待を集めた作品の一つ、「姜子牙」や、中国の女子バレーボールチームの実話を基に描いた「奪冠(LEAP)」「ロスト・イン・ロシア(英名)」などの新作公開も相次いで中止された。

 春節に公開予定だった新作は多額の興行収入が見込まれ、これをてこに、中国国内の映画興行収入は今年、世界最大の米国市場を抜いて世界一になるとみられていた。

 映画専門サイト「猫眼電影」によると、春節連休初日から3日間の中国の映画興行収入は新型コロナウイルスの影響を受け、約610万元(約9625万8000円)と前年同期(23億元)に比べ激減した。

 大型スクリーンで映画を上映するカナダのアイマックスは27日、中国での映画の公開延期を発表。コンサルティング会社MKMパートナーズは「アイマックスは春節に中国で収入が得られなかった。同社世界全体の興行収入への影響は少なく見積もっても6000万ドルになる」としている。

 一方、マカオの観光当局によると、中国本土からマカオを訪れる観光客の数は春節休暇初日からの3日間で前年同期比66%の減少。カジノ収入は、マカオ特別行政区の歳入の80%を占め、マカオ経済には大打撃となる。

 RTHK(香港電台)によると、マカオの賀一誠行政長官は先週、感染拡大に対応してマカオの全てのカジノを閉鎖する可能性も排除しないと語った。

 米カジノ大手ウィン・リゾーツは、27日の米株式市場で一時前営業日比10%下落した。バンク・オブ・アメリカ(BoA)が、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大がマカオ事業に与える影響に対する懸念の高まりを挙げ、投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。

 競合するラスベガス・サンズも一時10%下げた。(ブルームバーグ Shirley Zhao、Richard Frost)

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