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ネット食品に「スピード×効率性」の物流革命 ウォルマートがロボ活用 (1/2ページ)

 オンラインの食品販売が拡大する中、スーパーの裏側ではネット注文に対応するために物流機能を強化するさまざまな取り組みが進んでいる。中でも有望視されるのが、米小売り大手のウォルマートが現在、ニューハンプシャー州セーラムのウォルマート・スーパーセンターで試験運用しているロボット物流だ。同社は「スピード」と「効率性」を高め、さらなる成長につなげようとしている。

 ピッキング自動化

 ウォルマートのスーパーセンターに併設された2万平方フィート(約1858平方メートル)のロボット物流システムは、顧客がネット注文した食品を迅速かつ効率良くピックアップするための秘密兵器だ。提携先の米新興企業、アラート・イノベーション(マサチューセッツ州)が設計した「アルファボット」の自動カートが注文品を迅速に取り出してピッキングステーションに運び、スタッフが梱包(こんぽう)して駐車場の顧客の車に届ける。

 こうした「カーブサイド・ピックアップ」やネットで注文された食品の宅配を担う物流のうち、店内や店に併設されるものを小売業界ではマイクロ・フルフィルメントセンター(MFC)と呼ぶ。MFCについて、食品小売りで長年ヒットする最も有望な技術だと評価するアナリストもいる。

 ウォルマートのデジタル事業のシニアマネジャー、ブライアン・ロス氏は「当社の供給網に大変革をもたらすだろう。アルファボットの導入で注文プロセスが合理化され、社員はスピードと効率性を高めて仕事できるようになる」と強調した。

 2000年代初めに遡(さかのぼ)っても、「スピード」と「効率性」はネット食品分野の最たる特徴ではなかった。アボカドやステーキ肉を店頭で選びたい買い物客がまだ多い中で、ネット食品は伸び悩んだ。一般的に食品市場は停滞気味で、利益率は低い。かつて注目を集めたオーガニック(有機栽培、有機飼育)さえ勢いが鈍っている。そこで小売業者がこの8000億ドル(約86兆6720億円)規模の成長期待のある分野で目を向けるのがオンライン事業だ。

 ウォルマートの電子商取引(EC)部門は浮き沈みがあるものの、ネット食品事業の業績は最も優れ、EC事業が全米売り上げの半分以上を稼ぐ立役者となっている。顧客が注文した商品を店の外の歩道や路肩で受け取れる店舗数は現在3000店超と、16年の約400店から大幅に増加。さらに無料宅配サービスを提供するほか、不在時に顧客の冷蔵庫に直接配送するサービスもテスト中だ。

 ネット通販大手のアマゾン・コムと傘下の自然食品スーパー、ホールフーズのチェーンが米食品支出のシェアアップを図る中、ウォルマートが後れを取らない上でこうした取り組みは寄与している。リテール・フィードバック・グループによる最近の調査では、ネット食品を注文する際にウォルマートを選んだと答えた買い物客は37%と、アマゾン(29%)や食品の即日配送サービスを手掛けるインスタカートを採用する従来のスーパーも上回った。

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