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英離脱後のEU新局面 仏独関係の早急な修復必要 (1/2ページ)

 英国は1月末、欧州連合(EU)を離脱、「移行期間」に入り、英国とEUは将来関係の協定を交渉して発効を目指す。英国のビジネスは期間中、EUに残留だ。完全離脱は移行期間終了時であり、最長2022年末まで延期できる。

 双方は昨年までの交渉で広範な自由貿易協定(FTA)の締結で合意。昨年10月には物品貿易の「全品目で関税、数量割り当てを回避」し、英国は「補助金、雇用規制、環境基準、租税」などでEUと「公正な競争条件」を確保する、と約束した。

 英国は完全離脱後、規制緩和で経済のテコ入れを図る方針だ。EUは「公正な競争条件」で、その抑制を英国に約束させた形だが、ジャビド英財務相は先日「EUルールに従わない」と発言し、英経済界や労組から猛反発を受けた。FTA交渉は波乱含みだ。

 金融などサービス貿易や資本・人の移動では、英国はEUの域外国扱いで、どこまで有利な条件を上乗せできるかは交渉次第である。

 ジョンソン英首相は年内にFTAを発効させて年末に離脱すると強く主張する。離脱の成果を国民に早く見せたいのだ。だが、英国を除くEU27カ国は人口で英国の7倍弱、国内総生産(GDP)で6倍近くあり、交渉はEUが優位だ。

 英国が「公正な競争条件」を固守し、物品貿易を優先すれば、年内合意は可能かもしれない。だが、対EUで黒字のサービス貿易などを重視すれば、移行期間を延長するしかないだろう。

 英国が年末、合意なしで万一離脱すれば、英経済は大混乱に陥る。政権は踏み切れないだろう。

 英国は日米豪や中国など新興国とFTAを結ぶ方針だ。だが、大国相手では製造業や農業は苦しい。英「連合王国」解体のリスクも抱え、将来の不安を拭えない。

 米国の関心は、中国との覇権争いにより欧州からアジアに移った。中東撤退も視野に入る。

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