海外情勢

米外食、内食伸張で淘汰の波 客離れ・競争激化で弱小ブランド破綻

 家で食事を取る米国民が増えるのに伴い、米外食業界に淘汰(とうた)の波が押し寄せている。

 ファストフード大手「マクドナルド」やイタリアンレストラン「オリーブガーデン」、フライドチキンのチェーン店「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」などチェーン店が顧客獲得に火花を散らす一方、知名度が低く集客力のないブランドの多くは経営破綻やリストラに直面している。

 レストランは過剰

 先月27日には「ビレッジ・イン」や「ベーカーズ・スクエア」を傘下に持つアメリカン・ブルー・リボン・ホールディングス(ABRH)とガストロパブをチェーン展開するバー・ルイ・レストランツがともに米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。両社は申請理由に客足の減少を挙げている。

 昨年経営破綻したクリスタルやフーリハンズ・レストランズ、コナグリル、パーキンス・アンド・マリー・カレンダーズの4社は皆、事業が破綻した理由として、客離れや競争の激化を挙げていた。

 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の外食産業担当シニアアナリスト、マイケル・ヘイレン氏は「カジュアルダイニングとフルサービスのレストランを中心に、外食産業は過剰な状態だ。レストランが多すぎる」と指摘する。

 ABRHのカート・シュナウベルト最高経営責任者(CEO)は裁判所に提出した申請書類で、事業が立ち行かなくなったのは客離れに加え、競争激化や労働コストの上昇、赤字店舗の増加によるものだと説明している。現在97店舗を所有・運営する同社は、破産法の申請前に33店舗を閉鎖した。

 既存店10%減収

 バー・ルイのハワード・メイティナー構造改革最高責任者(CRO)は申請書類で、同社が過去2、3年に新規開店した店舗は売り上げ増加に寄与したものの、その増収分は同社の資金繰りを圧迫していた債務の返済に充てられたと述べ、店舗改装や設備保全に充てる十分な資金がなく、ブランド体験が各地で一貫していなかったと釈明している。

 申請書類には「ブランド体験の一貫性のなさだけではなく、競争激化、当社店舗が隣接する従来のショッピングエリアやモールを訪れる買い物客が全般的に減少したことが相まって、客数が落ち込んだ」と記している。

 バー・ルイは110の店舗のうち、38店舗が2018年の戦略見直し以降、「加速度的な減収、減益を経験」した。メイティナー氏によると、この38店舗の既存店売上高は19年に前年比10.9%と大幅に落ち込み、破産法申請の直前に閉鎖に追い込まれたという。

 BIのヘイレン氏は「外食産業には調整が入らざるを得ない。過去2、3カ月に多くの調整があったが、これは始まりにすぎないと考える。いったん景気が弱含めば、事態の悪化を目の当たりにすることになるだろう」と警鐘を鳴らしている。(ブルームバーグ Olivia Rockeman)

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