海外情勢

地方にロープウエー乱立 韓国 観光客食い合い、赤字路線も

 韓国でロープウエーの開業が相次いでいる。観光資源に乏しい地方都市への誘客の起爆剤として期待を集めているが、乱立して客の奪い合いになるケースも。開発による環境破壊への懸念から構想が行き詰まった地域もあり、専門家らは慎重な事業計画を訴えている。

 国内最長を売り物に2019年9月、南西部木浦にオープンした約3キロのロープウエー。地元の儒達山や海を見渡しながら、40分ほどの“空の旅”を楽しめる。夜も運行しており、市街地の夜景が魅力だ。

 途中駅では地元名物のタコ料理が堪能できる。地元のタクシー運転手は「週末は行列ができる人気だ。ソウルの(距離約600メートルの)ロープウエーなんて比較にもならないよ」と胸を張る。

 日本人観光客が多い南部釜山(プサン)も、17年にロープウエーを開業した。

 一方、過当競争にさらされるのが南部統営のロープウエーだ。韓国メディアによると、運行開始した08年に約59万人だった利用客数は、17年には約140万人に増え、自治体が投入した建設費は回収できた。

 だが18年の利用客数は107万人に急減。同4月、車で1時間余りの距離にある近隣都市に当時で国内最長だったロープウエーが開通した影響とみられている。さらに近隣の別の都市にも新設が計画されている。

 韓国メディアの集計では、ロープウエーは全国に約20カ所あり、赤字経営も珍しくない。計画中のものも約30件に上る。

 韓国国際大の李雨橡総長(観光経営学)は韓国紙に「(客の食い合いを防ぐ)慎重な事業の検討が必要だし、ロープウエーと連携した多様な観光商品を開発することも大切だ」と指摘する。

 紅葉や雪化粧の美しさで知られ、世論調査で韓国人が好む山の人気トップとなった北東部の国立公園、雪岳山では、地元自治体による増設計画の環境影響評価(アセスメント)に対し、国側が不同意を決定。事実上中止に追い込まれた。反対してきた市民団体の幹部は、スイスや日本でも最近は国立公園内にロープウエーを設置していないと指摘し「国際的な流れに沿った当然の結果だ」と韓国紙に語った。(木浦 共同)

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