国内

日本人の資産の伸び低調 19年でわずか2割増、世界は倍増

 日本人の資産の増え方は、世界的に見て鈍い-。スイス金融大手クレディ・スイスが20日までにまとめた世界の富に関する報告書で、こんな結果が出た。世界全体では、2000年末から19年半ばにかけて成人1人当たりの資産保有額は2.3倍に膨らんだが、日本はわずか2割増。伸びの低さが際立っている。

 報告書では、長引く日銀の金融緩和による低金利や、住宅価格の停滞などが原因と分析。00年末時点では日本よりも資産保有額が少なかった先進国にも次々と抜かれ、「失われた20年」と呼ばれた長期低迷などによる地盤沈下を印象付けた。

 資産保有額は、現金などの金融資産と不動産などの非金融資産の合計から債務を差し引いて算出。日本は19年半ば時点で成人1人当たりの資産保有額が00年末比24%増の23万8104ドル(約2600万円)となった。内訳は、金融資産が34%増の16万2774ドル、非金融資産が1%減の10万4432ドル、債務が17%減の2万9102ドル。

 19年半ばの国別の保有資産額は、米国が43万2365ドルで00年末の2倍。00年末時点で日本よりも資産額が少なかった英国は88%増の28万49ドル、シンガポールは2.6倍の29万7873ドル、フランスも2.6倍の27万6121ドルとなり、いずれも日本を逆転した。(ロンドン 共同)

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