海外情勢

中国、中小企業支援は空回り 新型肺炎対策 銀行が融資に及び腰

 中国政府が新型コロナウイルスによる景気減速を防ごうと、貸出金利を引き下げるなどの中小企業の支援策を打ち出す中、数百万の中小企業の資金繰りが悪化している。市中銀行が新規融資により、不良債権増加を懸念していることが背景にある。

 中国中小企業協会が中小企業6422社を対象に27日までに実施した調査によると、約3分の2が「1~2カ月の固定費を賄うことができるだけの資金しか残っていない」と答えた。政府当局者は先週の記者会見で、従業員不足や資金繰りの悪化などにより、中小企業の操業再開率は約3割にとどまると説明した。

 中国政府はこれら中小企業の支援策として、貸出金利を引き下げて融資を促進するほか、春節(旧正月)の休暇以降、産業基盤の半分以上に遊休状態を強いていた規則を各地で次々に緩和している。しかし、こうした支援策にもかかわらず、中国の多くの民間企業は期限を迎えた債務の返済や、従業員の給与の支払いのための資金の調達が困難になっている。

 北京の金融コンサルティング会社、北京中和應泰のアナリスト、呂長順氏は「中国が1~3月期にウイルスの封じ込めに失敗すれば、多くの中小企業が倒産に追い込まれるだろう」と指摘した。

 中国の雇用全体の約8割を占める中小企業は同国経済の重要な位置を占めるものの、これら中小企業は新型ウイルスの問題発生以前から、貿易戦争やシャドーバンキングの規制などで資金難に陥っていた。中国の政府系シンクタンク、国家金融・発展実験室によれば、2018年時点で中国の8000万社の中小企業のうち約3分の2が融資を受けられていない。

 銀行も既に記録的な貸し倒れに苦しんでおり、痛手を受けている。多くの銀行は過小資本だ。これに加え、中国企業の債務不履行(デフォルト)額は2年連続で過去最高を更新している。米格付け会社S&Pグローバルは、感染拡大に伴う危機的状況が長期化すれば、中国の銀行全体の不良債権の比率は昨年の水準の3倍以上に当たる6.3%に跳ね上がる可能性があると試算している。(ブルームバーグ Jun Luo、Emma Dong)

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